鍵屋の苦労話

どんな仕事でも苦労する場面に遭遇することがあります。このお仕事を始めて四半世紀。これまで様々な苦労がありました。
石の上にも三年とはよく言ったもの。しかし鍵屋という職業は三年経ってもまだ半人前。苦労してこそ次への成長があるのですね。
毎回、出動のたびに何らかの苦労が付きまといます。ここではほんの一部ですが開業から現在までの様々な苦労話苦労話をご紹介いたします。カギ屋ならではの苦労話です。

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カギ屋ならではの苦労話。滋賀県近江八幡市の鍵屋、キー・ロック・サービス湖東・湖北エリア出張所

 

「初めまして」から「毎度有難うございます」へ

鍵屋に限らずどんな商売でも開業したての頃はすぐには仕事が入らず苦労するものです。私は本部代表に師事し修行を経て平成14年9月に開業しましたが、仕事は自分で得るもの、と固く教えられ本部からの紹介は全くない状態からのスタートでした。A3のコピー用紙を大量に購入し、両面コピーで4等分してチラシつくりをし、日中はポスティング作業の日々。滋賀県中の住宅街を回りました。夜は弁当工場でアルバイト。そんな日々が1年くらい続いたある日、チラシをご覧になられたお客様からポツ、ポツと仕事依頼のお電話を頂けるようになりました。「初めまして、どうぞ宜しくお願いします!」と元気に振舞ってお仕事させていただいたことを今でも思い出します。初めてこの商売でお客様からご料金を頂いた時の喜びは格別でした。日を追うごとに仕事の量が増えてきてやっと鍵屋だけでやっていけるようになったのは開業して2年以上経ってからです。そのころからリピーターのお客さんからのお電話が増えだしてきました。お隣さんの玄関の鍵を見てくれる?とか息子がバイクのキーを失くしたので作ってください、など。「毎度有難うございます!」と再び元気を振舞ってお会いした時の喜びは何物にも代えがたいものですね。苦労してきた甲斐があるなという気持ちと同時に初心を忘れないで日々精進していかなければという気持ちが交錯する毎日を過ごしています。


琵琶湖があるから...

滋賀県には”近畿の水がめ”琵琶湖があります。近畿一帯の住民の方々の生活に欠かすことができない、日本で一番大きな湖です。
私はドライブでのんびり湖岸道路を走りながら穏やかな琵琶湖の風景を見るのが大好きです。でも!仕事となれば話は変わってきます。琵琶湖があるがゆえに大きく迂回する必要が出てくるのです。例えば滋賀県長浜市で仕事中に琵琶湖の西側(高島市や大津市の北部など)で緊急出動要請が入ったら直線距離にしたらそれほどでもないのですが琵琶湖の外周を大きく迂回することでその距離は2倍にも3倍にもなるんです。行楽シーズンなんか最悪です。県外からの行楽客の車が増えるためにあちこちで大渋滞。滋賀でこの仕事を始めて20年近く経ちますが、いまだにこのストレスから解放されません。


自分でインロック開錠?

鍵屋の仕事って暇なときは暇なのですが忙しい時には目から火が出るほど忙しいんです。ある日、一戸建住宅の玄関に暗証番号式のデジタルロックをつけているときに一度に複数件の緊急出動依頼が入りました。とにかく、今受け持っている仕事を確実に仕上げるために全力を尽くし無事取り付け終了、さあ次の仕事に向かおうとしたその時!何を思ったのか、運転席の座席の上に車のキーを置いたままインロック...一瞬凍り付きました、あーナサケナイ。思わず鍵屋さんを呼ぼうかと思いました(笑)とりあえず開けないと次に進めないのでお客様から針金とヘアピンをお借りし、即席で開錠工具を作りなんとか開けました。鍵屋がカギ閉じこんでどないするねん!と独り言をつぶやきながら次に現場へ走りました。「急いては事を仕損じる」、肝に銘じておきます!


空中戦?

とあるマンションの3階一室の鍵開けに出向いた時の話です。奥様がベランダで洗濯物を干している隙に小さなお子様がベランダ窓のクレセントをかけてしまったとの連絡がちょうど隣の奥様からあり出動しました。ベランダに閉め出された奥様と隣の部屋の奥様は知人関係にあり、大声で助けを求められたそうです。私は現地に到着後、玄関のカギをチェック。GOAL社製のPX-K(V18シリンダー上下2箇所)だったので玄関からの解錠は難しいと判断、お隣の奥様にお願いし、ベランダ伝いに隣のお困りの奥様のベランダへ移動させていただきました。しっかりとした作りのベランダだったため足元さえ滑らさずに気を付けていれば大丈夫と確信し慎重に移動しました。移動後はほんの数分でクレセントを解除でき奥様も一安心されていました。玄関のカギを破壊して開ける方法も考えましたが非常に時間がかかることと破壊後の交換を含めると高額な料金となってしまうためやむを得なく今回の方法を選びました。現場の状況に合わせて臨機応変な対応が求められるこの仕事。ですが自らの命を危険にさらすような方法は慎まなければ、と事務所に帰って我が子の顔を見た瞬間に思いました。


あらら、バラバラに...

玄関ドアの錠前の調子が悪くなったので見てほしいと連絡があり出動。現場に着いた時にすぐに目に入ってきたものとは?お客様ご自身で取り外し、バラバラに分解された錠前が玄関先に転がっていました。錠前内部のすべてのパーツが取り外された状態。ラッチボルトの動作が悪くなったので自分で分解し直そうと思われたらしく、途中で訳が分からなくなってお電話をされたそうでした。よく見るとラッチボルトの戻し用のスプリングが折損していました。予備のスプリングを用意し、いざ組付けをしようとしてもどう組んだらいいのか、プロの私でさえ迷ってしまう始末。通常、錠前の故障修理では分解する直前の写真を撮り、組付け時の参考にするようにしていますが、この日はすでにバラバラ状態。部品の形状を見て理屈通りに動作するように少しづつ組付けていきました。何度も「あれ?違うなあ、このパーツはこっちでこの方向か...」と一人つぶやきやり直しながらトライすること30分。やっとの思いで組付けに成功しました。。。


パソコンも手放し時が難しい...

古いトヨタ車のイモビライザーキー紛失作成依頼があり事務所で準備していた時のこと。普段チップの書き込み用に使用しているXPパソコンが立ち上がらないことに気づきました。多分故障ですね、困りました。旧タイプのイモビライザーキーの登録ではECU内のチップデータを初期化する必要があり、そのために使用するツールがXP以前の環境でしか動きません。ソフト自体は起動するのですがこのツールのシリアルUSBをXP以降のPCでは正常に認識してくれないんです。互換モードでも試しましたが結果は同じ。 仕方なくもう一台予備として置いてあったwindows7proのノートパソコンをもって現場へ走りました。とりあえず現場でXPモードをダウンロード、インストールし、XP環境でソフトウェアを走らせ作業をすることにしました。スマホのテザリング機能を使ってダウンロードしたのですが、これがまた時間がかかること!お客様にもお持たせして申し訳なかったです。でもなんとかこの方法で登録できてよかった... ちなみに普段はwindows10proを使っていますが、10にはXPモードがありません。win7のサポートはすでに終了してますがインターネットへの接続さえしなければセキュリティー面での問題もさほど気にすることなく使えそうなのでwin7のPC、大切にしていきたいです。Windows7パソコン、手放さずに助かった!


住所が無い!?

全国対応型の大手さんからの出動依頼で「滋賀県米原市一色〇〇番地へ急行してください!」との依頼を受け向かいました。ナビにも出てこない住所、まあ近くまで行ってからお客様に聞いたらいいか、と思いながら向かいました。そしてお客様に電話で住所の詳細を聞いたのですが...なんと”一色”ではなく”野一色”ということでした!再度ナビで今度は野一色の住所を検索してみると今度はちゃんと表示され、約15分遅れでお客様のところに到着しました。私達が直接お客様から受ける際には住所をよ~く確認してから出動するのでこんな間違いはありません。やはり受付とスタッフの間にワンクッション入れるとこういう間違いが起こりえるんですね~。現場でお客様にただひたすらお詫びし、やっとのことでお許しを頂きました。


アンタらもか!?

「ネットで”到着5分!”とか書いている鍵屋さんに電話したら京都、名古屋、大阪から出動で2時間以上かかりますと言われた、アンタたちもそうか!?家の鍵、早く開けてほしいんやけど!」と真夜中に突然受話器に怒鳴り声が聞こえてきました。ちょ、ちょっと待ってください、どういうことですか?と問いただすと、そういうことだったんです。私たちは地元滋賀で営業しているので大丈夫ですよ、15分程度で到着しますよ、と伝えると、今までの怒鳴り声が信じられないくらい優しい声に変りました。後々、滋賀県の鍵屋さんを検索すると今回のような記載がされているお店が多いことに気づきました。それはそれで別にこちらが干渉する権利もないので良いとは思いますが、こちらまで一緒と思われるのはちょっと辛いです。もう少し正直に記載してほしいものです。


アクセル、スカスカ!

琵琶湖の湖北で仕事を終えて帰路に向かっているときのこと。突然アペダルの手ごたえ(足ごたえ?)がなくなりスカスカ状態に。車を安全な場所に止めアクセルペダル周りをチェックするとアクセルワイヤーのストッパーを保持するための樹脂の部品が割れてしまっていました。アクセルワイヤーの抵抗が一気になくなったためスカスカになったんですね。とにかく直さないと帰れない!と一瞬すごく焦りましたが冷静さを無理やり取り戻し、車内にある”使えそうなモノ”を探しまくりました。いろいろなものを開けるために役立つかな?と保管していた細いワイヤーと中空のアルミ棒を使って応急処置を施しました。アクセルワイヤーのストッパーと壊れた樹脂の部品に細いワイヤーを括り付け、短く切ったアルミ棒に両端を通した後、ペンチでアルミ棒をつぶして固定しました。これで無事に帰ることができました!その後修理に出そうかと思いましたが思った以上に頑丈についているため、数年経った今もそのままにしています。鍵屋の仕事は一日何百キロと走ることはざらにあります。いつ車のトラブルに見舞われるかわかりません。日頃のメンテはしっかりとしておきたいものです。


徹夜なんて、ざら。

一日中、鍵の緊急サービスで出払って帰ってきてやっと一息付ける、と思ったら新たな出動要請が入ることも珍しくないです。早朝から夜まで外での仕事が続きクタクタに疲れ果てて就寝時間になり寝ようと思ったときに呼び出し。結局その日は寝ずじまいとなりふらふらになることも。そういう日は翌日の日中、手がすいた時間帯に仮眠をとるなどの対策をしています。1時間でも寝るとすっきりしますが、時には仮眠もとれないほど忙しい日もあります。そんな時は無理せず、守山と大津のスタッフに任せています(笑)


寝違え?

ある日の朝、起きると肩から首にかけて痛みを覚えました。単なる寝違え?と思っていましたが、前日の夜の仕事の影響であることに気づきました。前の夜、滋賀県湖南市にホンダライフのインロック解錠に行った時の事。運転席側に花壇がすれすれの状態で停車されその状態でインロックされていました。ライフのキーはウェーブキーといってウニャウニャと波打ったような彫刻が施された鍵。開けるには運転席(にしか鍵穴はありません)の鍵穴をのぞき込みながらピッキングという手法を使います。ライフはドアの鍵穴は下のほうについていて、花壇の上端少し上あたりに見えており、のぞき込むにはちょっと厳しい状況。はじめは手探りでピッキングを試みましたがうまくいかず、花壇に腹ばいになって辛うじて鍵穴をのぞき込みながらの作業。体を思いっきり沈めながらの作業で息もまともにできず苦労しましたが何とか開けることができました。肩や首の痛みはその時には感じませんでしたが翌朝になってやってきました(笑)


背後にパトカー?

真夜中のマンション駐車場でのこと。車の解錠およびキーの作成業務をしている真っただ中、立ち会って頂いていたお客さんがコンビニで暖かいもの買ってくるね、といってその場を離れられました。しばらくすると赤色灯を点けた車が近づいてきました。そう、パトカーだったんです。お客さんがこの場を離れている間、私一人で作業していたのを住民の方が見つけ、怪しいと思って警察に通報されたようでした。お客さん本人の誓約書のサインと免許証番号、車検証を警察官に見せ事情を説明している最中にお客さんが戻ってきてくださり事なきを得ましたが、私の仕事姿ってそんなに怪しかったのかな...(笑)


気分が乗らない仕事もあるんです。

どんな職業でも気分が乗る仕事、そうでない仕事ってありますよね。私たち鍵屋の仕事といえばカギ交換、解錠業務・失くした鍵の復元(紛失キー作成)、錠前の取付け、故障修理が主となってきます。どの仕事もとてもやり甲斐を感じながらやっていますが、中には気分がのらない仕事もあるんです。ご連絡が取れなくなった身内様や知人様宅の解錠作業(安否確認)や強制執行に伴う住宅解錠作業。警察官や執行官が見守る中での作業は相当なプレッシャーを感じます。それだけで済めばいいのですが、最悪の事態を想定しながら(お身内様、知人様の容態、強制執行時の思わぬハプニング。どういうことなのか、ご想像できますよね)の作業となり気持ちが重たくなります。現に最悪の事態に遭遇することもしばしばあるので。何度経験しても気分が沈む仕事です。


工具が落下してきて頭を大怪我、病院へ。

店舗のガラス自動ドアの鍵交換をしていた時のこと。自動ドアの鍵交換は鍵メーカーによってはドアそのものを外してしまわなければなりません。この時はまさしくその作業中のこと。ドアを吊り上げているレールの上に工具を置き忘れ、真下で作業をしていました。突然誰かにぶん殴られたような感覚が襲ってきました。レールの上に置いていた工具が自分の頭を直撃したんです。タラリタラリと流れ落ちてくる鮮血。すぐに止まると思っていたのですが事務所に戻っても止まらず、家族に見てもらうと「こりゃ、あかんわ。パックリ傷口開いてる!」と言われ急遽病院へ。麻酔が効いてくる前に5針縫われました、痛かったですよ~。今回は自分の怪我で済みましたが、誤ってお客様に怪我でもさせたらそれこそ大変です。作業時の安全確認はしっかりと行わなければ、と反省しきりでした。


工具が壊れて。困った、こまった。

車のキーを作成するとき、スコープで鍵穴をのぞき、鍵山の段差を読み取ってキーブランクにカットして作るわけですが鍵穴の中は真っ暗なので電球の明かりを当てて見ます。ところが突然電球がつかなくなってしまいました。電球の明かりがなくなると、真昼間だったため周りの明るさで余計鍵穴の中が見えなくなってしまいました。さてどうするか...しばらく思案しましたが”勘”で対処することに。カギ穴内部の各部品の戻り音の大きさと工具先端から伝わる振動の大きさを感覚で捉え段差を判断して作ることにしました。何度も失敗し、切り損じたキーブランクが山のようになりましたが何とか無事に作成完了。日常の機材や工具への点検整備を怠ると大変なことになる、と改めて感じた時間でした。


ヤラレタ!

この仕事を初めて間もないころの話。急ぐから車のキーをすぐに作ってください!とかなりお急ぎのお客様。滋賀県彦根市へ走りました。そして免許証、車検証で本人確認したのち作業に取り掛かり、1時間くらいで完了。キーの具合をお客様にチェックしていただいた後、料金を支払ってもらう場面で。「鍵屋さん、ごめん今手持ちがないんです、明日必ず振込しますから」と頭を下げながらおっしゃるので断るわけにも行きません。クレジットカードもお持ちでないのでちょっと怪しいなと思いつつ請求書を手渡しました。そして数日後。。。そろそろ振り込まれているだろうと思い銀行で通帳記帳するも振り込まれていない!誓約書に記載してもらった電話番号に電話しても応答なし。ひょっとしてやられたか?と思いつつもう数日待つことにしました。それでも振込はなく連絡も取れず。ちょうど彦根市に鍵の交換で出向いたついでにお客さんちに立ち寄りました。すると住まれているはずのアパートが空き家になっていたのです。完全にやられました。こういった踏み倒しは最初の2、3年まで数件ありました。それ以来、個人のお客様に対しては現金かクレジットカードかPaypayでのお支払いを徹底してます。いずれかでお支払いできない場合は、申し訳ありませんがお断りさせていただいております。その甲斐あってこの十数年間はそういったことがなくなりました。


スキー場到着寸前でスタック。

4年ほど前の冬、雪深いスキー場へ車のキーを作りに行った時のことです。片道90分かけてお客様が居られるスキー場の駐車場まであと少しのところで雪の急こう配を上がれずスタック。当時は4駆ではなく後輪駆動の軽バンにスタッドレスを履いていました。路面は夕方から降り出した雪がカチンコチンに凍り、完全な鏡面アイスバーンと化していました。タイヤはむなしく空転するばかり。仕方なく車を脇までなんとか移動させ、そこから徒歩で機材や電源をたった一人でお客様のところまで運びました。お客様にも大変ご迷惑をおかけしてしまいました。以来、4輪駆動車に乗り換え、雪のスキー場への出動も滞りなくこなせるようになりました。


大型連休も...休めません。

お正月やゴールデンウィーク、お盆などの大型連休時も私たちは働き続けています。県外からの観光のお客様が車をインロック(キーとじ込み)やキーを失くされたりするトラブルが多く発生しその対応で走り回ることとなります。また連休終盤になると故郷に鍵を忘れたり出先で家のカギを失くされたりするトラブルが多発します。ほとんど休む時間がないくらいに忙しい職業が車のロードサービスでおなじみのJAFさんと私たち鍵屋かもしれません。家族サービスもままならないので家族の不満が爆発する時期でもあります(笑)これはこの職業に携わる者の宿命といえるでしょう。でも強い使命感を持って仕事に励んでいます。プロ意識をもって仕事に臨めば素晴らしい充実感を味わうことができる仕事でもあります。


緊急車両のようには...いきません!

真夏の炎天下の中、車の中に小さなお子様が閉じ込められるトラブルに対応することがあります。そんな時はできるだけ早く到着し解決してあげないと命に係わることもあります。しかし鍵屋の車は緊急出動とはいえ、パトカーや救急車、消防車のように緊急車両としての優遇がありません。信号が赤なら止まる必要もあり、渋滞に巻き込まれてもガマンしなければなりません。海外のように鍵の緊急業務も内容によっては緊急車両としての扱いをしてもらえるようになるといいのですが。。。なかなかそうはいかないのが実情です。いつも歯がゆさを感じながら出動してます。


ぼったくり業者と間違えられ。。。

サイトに記載している料金表をご覧になられお電話いただいたお客様。いきなり「現場で料金が変わることはないですね!以前、ぼったくられた経験があるんで!」とかなり強い口調でおっしゃいました。「うちは大丈夫です。料金表に記された以外の料金は一切発生いたしません、ご安心ください」となだめるので必死(笑)。その後受注し、すべての作業が終わった時点でお客様から事情をお聞きしました。以前、検索順位が常にトップにある大手広告サイトに依頼した際に電話で聞いていた料金の10倍近い請求金額を提示されことがあるそうでした。「”鍵のトラブル解決5000円~、5分で到着”なんてうたい文句は嘘っぱち!2時間待たされた上、80000円も取られたよ」とのこと。生活トラブル解決にはあるあるな事例ですね。口コミサイトでもその業者さんの素行ぶりは有名ですね。しかし最初にうちも同じだと思われたことは心外でした~。
地元警察からはトラブル解決業者からの不適正な料金請求にまつわるトラブルが絶えないので注意するようにと通達がありました。当店は正直料金で開業以来19年間やってまいりましたので、その点はご安心ください。


30分のはずが...

電車で県外から滋賀県内のご自宅へ帰る途中にポケットに入れておいた玄関の鍵がないことに気付かれたお客様からの玄関開錠と鍵交換の依頼。私は大津市のお客さんのご自宅に早めに到着、すぐにお客様に到着した旨を電話で伝えました。お客様は「お待たせしてすみません、あと30分くらいで着きます」との返事。ほかに急ぐ仕事も入っていなかったので車中でのんびりと待っていました。そして30分を経過した頃にもう一度電話すると、「電波が届かいない場所にあるか、電源が入っていない...」の事務的な女性の声のメッセージが!おかしいなあ、と思いスマホのSMSの着信を見たら「携帯の電池が切れそうです、すみません!」とお客様から伝言が入っていました。電話は余計にバッテリーを消耗するのでSMSでお知らせくださったようです。しかしその後、待てども待てどもお客さんは来ない!まあ、別の緊急要請が入るまで気長に待とうと座席のシートを倒して仮眠をとりました。結局、お客様が到着されたのは4時間後でした。聞くと人身事故で電車が止まってしまい代替えのバスで帰ってきたそうです。連絡がつかない辛さを痛感した一日でした。


業者さん違い?

すごい怒鳴り声で電話口に出た男性。「この前、鍵の交換をしてもらったけどノブが外れてしもたやないかい!2本あるはずのねじが1本しか付いてない!すぐに直しに来い!」と。理解不能なままとりあえず現場に走りました。現場に付き、とりあえず頭を下げ状況を確認。身に覚えのないお家とお客様、怪訝に感じ、このカギを取り換えたときに業者さんから手渡された領収書を見せてくださいとお願いしました。すると全然うちとは別の業者さんの領収書でした(しかもノブ交換だけで30000円以上の金額が書かれていました、驚)。お客様も慌ててネットで出てきたうちに電話されたようです(笑)そうとわかったらお客さんも急に笑顔になられ素直に素直に謝ってくださいました。こちらも気を取り直し、ついでなのでねじの締め付けをさせていただき現場を後にしました。お客様からはお詫びにと取れたてのタケノコを沢山いただきました!


時代の流れ。

数年前までは紙面のタウンページ(職業別電話帳)からの入電がほとんどでしたが、スマートフォンやタブレットなどの普及に伴いタウンぺージから直接お電話をいただくお仕事(直営の仕事)の数がグーンと減りました。その代わりの契約している全国対応型の大手仲介会社からの依頼が半数以上占めるようになりました。スマホやPCで検索するとかなりの数の大手さんのサイトが台頭してきたのです。このままではアカン!大手にしがみついていてはいつかは地元業者が廃ってしまう!と危機感を覚え自分でサイト(一般的にはホームページといいますね、でも正しくはサイトです)を立ち上げることにしました。ご存じの通り立ち上げてもすぐには上位に表示されません。その間はこまめにサイトの更新を繰り返しながら大手さんからのお仕事で食いつなぎました(笑)そして半年、1年と経てゆくうちに次第に自前のサイトからの依頼やお問い合わせが増えてきたのです!おかげさまで今ではほぼ100%、サイトからの流入案件となっています。好きな時に内容変更やページを増やしたりとマイペースでサイトの管理をしています。これも営業努力の一環です。


水路に落ちる?!

滋賀県彦根市の自動車修理工場にAUDI A4のインロック解錠の仕事に行った時の話。現場につき、車の状況を確認すると幅1.5mくらいの水路ギリギリに運転席側のドアを向けた状態で止まっていました。AUDIの鍵穴は運転席側にしかなく”これは無理かも”と不穏な空気が。でも困っておられるお客様の前で”これは無理です!”と言えるはずもなく無い知恵を絞って頑張りました(笑)水路の中に脚立を立て、そこに足をのせてトライすることになりました。それでも脚立の不安定さのために体重をかけることはできず片足を水路壁面に預け”半身の状態”で作業開始。AUDI A4の鍵穴は水平(国産車などは垂直)タイプなので半身の状態プラスさらに体をひねりながらの作業。キーシリンダーの中をスコープで覗きながら内部の部品を一つずつピックしてゆくわけですが、なんせ姿勢が大変でしかも足元が不安定とあってすぐに体勢をもどして一呼吸。息もまとものできない体勢での作業はほんと、苦痛でした(苦笑)20分余りの奮闘でなんとか解錠することができました。お客様も安どの表情でお礼を言ってくださりました。あ-、水路に落ちず無事に解錠できてよかった、よかった!


ほんとに、落ちた!

水路脇に建つ一軒家。ちょうど桜の季節でした。お宅の裏側出入り口のカギ交換の仕事でした。あいにくメーカー製の錠前セットの持ち合わせがなくメーカーに発注をかけるために扉の写真を撮っていた時のことです。
扉から水路までほんの数メートル。私のスマートフォンのカメラは広角機能が弱く水とぎりぎりまで下がっても扉全体を映しきれません。したかなく趣味で使っているデジタル一眼レフと超広角レンズを車から持ってきて(常に積んでます、笑)撮ることにしました。さすがに一眼レフの広角は素晴らしい!とてもおしゃれなお家だったのでついついカメラマン魂に火が付き脇に咲いた桜とともに撮ろうと半歩下がった瞬間!朝露でぬれた斜面に足を滑らせそのまま水路にカメラごとドボ~ん!
4月の川の水温はまだまだ低く、心臓が止まりそうになりました(苦笑)完全水没したNikonの一眼レフ、D500と10-24mmの超広角レンズは当然使えなくなりました、が!その後天日干しとカメラ防湿庫に1か月程度放り込んで置いたらなんと復活しました!
完全復活したそのカメラで撮った作品がその後爆発的にフォトコンテストに入賞するといった数奇な体験をしたのは紛れもない事実。。。


同時依頼は気まずいな...

鍵のトラブルで現場へ急行し作業を開始した直後、他の同業者さんが到着。お客様がお客様が慌てて同時に他業者さんにも依頼されていたことが原因のニアミスでした。ある意味、お客様側のマナー違反ですね。
当然、こちらが速く到着、作業着手したためその同業者さんは気の毒なことにキャンセルされました。互いに顔を合わせているためすごく気まずかったです。キャンセルされた業者さんはキャンセル料を請求されていました。それは当然のことですね。


集中している時に限って。

静かな環境で指先に神経を集中してわずかな振動を感じとる作業、業務用金庫の解錠です。少しでも気が散ると絶対にすぐに手を止め気持ちのリセットを図ります。そんな研ぎ澄まされた感覚の世界に浸っているときに限って仕事とは関係ない電話が鳴ったりします。「貴社のホームページについてですが」、「太陽光の件ですが」、「学習教材について」、「光回線の乗り換えについて」など。本当に腹が立ちますよ。いつも作業中はスマホをスピーカーモードにして手を止めずに話を続けます。通常の作業(鍵交換など)ならこれでまったく問題ありませんが金庫の解錠となれば話は別。すぐに電話を切って作業の再開。仕事の要請の電話であればきちんと対応させていただいていますので、念のため。

 

 

<<苦労を忘れる瞬間>>

これまでいろいろな苦労話を綴ってきましたがそれらの苦労を忘れさせてくれる瞬間があります。それはトラブルが解決したときの、安心感に満ちたお客様の笑顔を見たときです。”ご苦労様、おかげで助かりました”の一言と満面の笑みが私たちの明日への活力の源となっています。 今日も明日も、これから先ずっと、お客様の笑顔に出会うために頑張っていきたいです。